高校時代に英語試験のIELTS(アイエルツ)で高いスコアを獲得すれば、差し迫った大学入試、そして大学入学後の交換留学において大きなメリットがあります。
この記事では、「IELTSについてもっと知りたい」という高校生や関係者を対象に、以下のことをご説明します。
本記事の内容
- IELTSとは?
- 高校生がIELTSスコアを獲得する5つのメリット
- 高校生におすすめのIELTS対策の方法
当記事は、2021年6月時点の情報を参考にしています。
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IELTS(アイエルツ)とは?
IELTSは、見送りになった大学入試共通テストでの英語外部検定試験のひとつとして、以前より早い段階からIELTSに興味を持つ人が増えました。
以前は、IELTSは「留学や移住をする場合の特別な英語テスト」と捉えられていましたが、現在では「英語4技能を計る世界標準の英語試験」として考えられるようになりました。
ここで、IELTSについて、その概略を整理しておきましょう。
IELTS(アイエルツ)とは?
- 世界で最大級の英語試験:IELTSは、"International English Language Testing System"の頭文字をとったもので、主として留学・移住・仕事のための英語力を証明するのに使われる英語試験です。全世界で受験者が年間300万人を超えています。日本でも年々受験者が増加しています。
- 2つのモジュール:アカデミックとジェネラルの2つのモジュールがあり、入試や留学ではアカデミック・モジュールが利用されます。
- 海外教育機関で採用:イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・カナダのほぼすべての教育機関、最近ではアメリカでもアイビーリーグを含む多くの教育機関で採用されています。
- 日本の大学入試でも採用:(後述するとおり)すでに国公立大・私立大における一般入試・推薦入試でIELTSが採用されています。
- 2つの試験方法:従来からの紙ベースの試験と、コンピューターで受験する試験があります。
留学という視点では、TOEFLという選択もありますが、TOEFLは北米の大学での採用が中心のため、どの国へ留学するか未確定の高校生の段階では、IELTSがおすすめです。また、IELTSの方が、(個人差はありますが)一般的に日本人にとっては点数がとりやすいとも言われています。
IELTSについては、たくさんのウェブサイトで説明がされていますが、まずは試験運営団体による以下の公式サイトを参考にしてください。
高校生がIELTSスコアを獲得する5つのメリット
このコーナーでは、高校生がIELTSのハイスコア(少なくともIELTS5.5~6.0以上)を取得するメリットを整理していきましょう。
一般入試・推薦入試でIELTSスコアを利用できる
IELTSスコアを持っていることで、大学入試において有利になる大学が多くあります。
大学入学共通テストでの導入は見送られましたが、個別の大学の対応においては、特にIELTSの5.5以上で有利となる大学に人気大学がたくさんあります。
このような大学では、一定以上のIELTSスコアで英語試験が満点換算となったり得点追加となったりするので、IELTSのハイスコアを持っていることで、入試を有利に進めていけることになります。
参考
【国立大学】
2021年 一般入試 外部検定利用一覧 国公立大編(旺文社 大学受験パスナビ)
2021年入試 英語外部試験利用入試を実施する国立大学一覧(駿台)
【私立大学】
2021年 一般入試 外部検定利用一覧 私立大編(旺文社 大学受験パスナビ)
2021年入試 英語外部試験利用入試を実施する主要私立大学一覧(駿台)
*大学入試に関する情報は、必ず最新の情報で確認するようにしてください。
国際教養大学、九州大学共創学部、早稲田大学文化構想学部、国際基督教大学などの、トップ人気大学・人気学部でもIELTSが利用されており、見なし満点・得点換算・出願資格などに使われている点は注目されますね。
交換留学に必要な英語スコア達成に圧倒的有利
大学入試だけであれば、英検・TEAPなど他の英語試験という選択肢もありますが、大学時代に留学を希望している場合には、断然にIELTSのスコアを持っていることが有利となります。
なぜなら、大学が協定を結んでいる海外の大学への交換留学を希望しているのに、必要な英語力要件を満たせなくてあきらめざるを得ないケースが多く見られるからです。
多くの大学では「交換留学」のチャンスがあることをアピールしていますが、現実には、交換留学を本気で考える人は、以下の点を十分に留意しておくことが必要になります。
- 学内選考に通る必要がある:交換留学は多くの学生にとても人気があるため、誰でも希望すれば行けるものではなく、大学の学内選考に通る必要があります。多くの大学で、学内専攻の出願時の英語力として、最低でもIELTSで5.0または5.5以上が課されています。
- 留学要件の基準が高い:海外の大学からは、出願にあたって英語力と成績についての要件が課されます。細かい要件は大学によって異なりますが、一般的に英語力と成績の両方の要件を満たす必要があります。英語力要件としては、通常の正規コースの留学で必要となる英語力(多くの場合で、IELTS5.5または6.0以上)が必要となります。(つまり、仮にIELTS5.0で学内専攻に通っただけでは、留学の要件を満たしません。)
- スケジュールが厳しい:多くの大学で、例えば7月~8月にかけて留学へ出発する場合、前年の6月~9月くらいにかけて学内専攻の出願というスケジュールになっています。大学2年次に留学をしようという場合には、大学1年次の夏にあたる学内専攻出願時に、すでに出願できるだけのIELTSスコアを持っている必要があります。
そのような状況を避ける対策のひとつが、高校時代からIELTSのスコアを取得しておくことになります。
IELTSスコアの有効期限は2年間ですから、高校3年のときにIELTSで5.5~6.0のスコアを獲得しておけば、大学入学後の交換留学の学内専攻準備も余裕を持って対応できます。
大学の勉強に集中して高いGPAをめざせる
大学入学の時点で、交換留学応募に必要なIELTSスコアを持っていれば、大学入学後には大学の勉強に集中できます。
結果として、高い成績(GPA)をめざすことが可能になり、学内専攻を有利に進めることができます。
奨学金に応募しやすい
留学にあたって、さまざまな奨学金に応募する場合にも、すでにIELTSスコアがあることで、奨学金応募の機会や可能性を高めることができます。
高校生でIELTS7.0を取得して推薦で大学へ進むことが決まった方の勉強体験談(下記)は、高校生が戦略的にIELTSを勉強していこうという場合の参考になります。
IELTSにはIELTS対策の勉強法を!
IELTSのスコアアップには、英語力そのものの底上げに加えて、IELTSというテストで力を発揮するためのテスト対策が必須です。
IELTS対策の勉強法には、独学、オンライン英会話、オンラインコース、通学コース、プライベートレッスンなどいろいろな方法があります。
「時間が限られているのに、何から始めてよいかわからない」という場合には、IELTS専門のスクールを利用するのもひとつの方法です。
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まとめ
高校時代にIELTSへ向けて勉強する人は、まだ少数派かもしれません。
でも、上記のようなメリットを考えると、少数派の今だからこそ、高校生でIELTSを本格的に勉強してハイスコアを取得するメリットは大きいといえるでしょう。
当記事が、「IELTSについてもっと知りたい」という高校生・関係者の参考になればうれしいです!