初めてVersant™(ヴァーサント)を受験するとき、自分の英語力でどのくらいのVersant™スコアとなりそうか、だいたいの目安を知りたいですよね。
特に、社会人の英語学習者であれば、多くの人が受験経験のあるTOEIC™のスコアとの関係がわかれば、今の自分の英語力で最低限取得したいVersant™での目標スコアを知ることができます。
当記事では、
- Versant™のスコアで知っておきたいこと
- Versant™スコアとTOEIC™スコアとの関係
について概観してみましょう。
当記事は、2019年11月時点の情報を参考にしています。
Versant™のテスト結果
Versant™のテスト結果は、テストが終了して数分後に、スコアレポートで点数を見ることができます。
公式サイトから、サンプルのスコアレポートをダウンロードできるようになっています。これを見ると、最終的にどのように評価されるのかについて、具体的にイメージすることができます。
また、FAQをよく読むことで、「Versant™はどのように採点されるのか?」「得点アップにはどのような点に留意すべきか?」が見えてきます。
Versant™の総合点とサブスコア
サンプルのスコアレポートからわかるとおりに、Versant™のテスト結果は、4つのサブスコア(文章構文、語彙、流暢さ、発音)と総合点で評価されています。
- 各点数は、20点から80点のレンジで評価されます。
- 総合点は、4つのサブスコアの加重平均で評価されます。(比重については次項を参照)
- 総合評価として、「受験者の能力」についての説明があります。
スコアと英語力の目安については、公式ページのサービス詳細ページにある「点数と英語力の目安」の部分に説明されていますので、詳しくはそちらを参照してください。
公式ページでは、20から80点のレンジを7つのレベルに分けています。英語を使って仕事をしていきたいならば、少なくとも真ん中のレベル(総合点で47点~57点)を取得したいですね。
総合点とサブスコアはどのように算出されるのか?
公式ページのFAQに、Versant™総合点とサブスコアで測られるスキルについて、説明がされています。
これによると、
- 総合点は、内容(語彙と文章構文)と話し方(発音と流暢さ)で決まります。
- サブスコアの比重は、語彙20%、文章構文30%、発音20%、流暢さ30%となっています。
したがって、高い得点をとるためには、語彙や発音といったスキル以上に、文章構文と流暢さが重要といえます。
Versant™のスコアに影響する採点項目について
公式ページのFAQには、Versant™がどのように採点されるのかについても、説明があります。
Versant™のスコアアップを目指す場合に、これらを理解して勉強しテストに臨むことは、非常に大切なポイントといえます。詳しくはFAQをご参照いただくとして、ここでは、試験対策を始めるにあたって特に留意しておきたい点をピックアップしました。
ネイティブモデルにどれほど近いか&違うかが採点される
FAQにある説明によると、受験者の話したことは、ネイティブスピーカーのモデル回答の許容範囲と比較して、「どれほど近いか」「どれほど違うか」をとらえて採点される、となっています。
ここで受験者として理解しておきたいのは、単に回答が「正しい」か「間違っている」かが採点されるのではないという点です。それよりも、回答が「ネイティブモデル」に近いか&遠いかという点に重きが置かれて採点されるのです。
ノンネイティブスピーカーの英語勉強に関して、しばしば「発音はどうでもよいから通じればよい」ということが言われますが、Versant™のテスト対策においては、ただ通じるだけではなく、「ネイティブスピーカーがどのように話すのか?」という視点をもって練習することが大切といえるでしょう。
話したこと&話し方が採点される
Versant™の採点システムでは、受験者が話したこと(内容)とそれをどのように言ったか(話し方)が採点されます。
内容について
話した音声が、単語、句、文章に変換されて、ネイティブモデルの許容範囲内にある回答と比べられることで、採点がなされます。
前項で説明したように、単なる正しさ・誤りではなくて、ネイティブモデルに近いか・遠いかが重要になります。
話し方について
話した音声が、さまざまなデータ(答え始めるまでの時間、 回答の長さ、ためらい・休止・詰まり、音声ピッチとトーン、音声の強勢とイントネーションなど)として取り出され、発音と流暢さを測るためのデータとして分析され、採点がなされます。
ここで受験者として理解しておきたいのは、内容と話し方が分けて採点されるという点です。そのため、試験対策としては、話し方(発音や流暢さ)を練習するとともに、話す内容(語彙や文章構文)を練習することが大切といえます。
また、話し方については、データとして取り出される項目について留意してスピーキングの練習をしていくことが、得点アップにつながる練習法になります。
当サイト管理人こまちは、それなりに仕事で英語も使ってきましたが、Versant™初回受験では、ショッキングなスコアになってしまいました。「どうして・・・」と思いましたが、Versant™での採点が「ネイティブモデル」との比較でなされることを知って納得しました。
というのは、こまちが英語を真剣にやりだしたのは大人になってからなので、発音は日本人英語ですし、英語を話すスピードもかなりゆっくりです。仕事上の実務英語で通用しても、Versant™の採点コンピュータに通用しなかったのだな~と。
そのため、2回目の受験までには、特に話し方(発音や流暢さ)を意識しての練習をしました。
こまちの受験体験記については、以下の記事をご参照くださいね。
Versant™をTOEIC™のスコアへ換算
前項まででみたように、Versant™では独特な採点方法でスコアが測られるので、初めて受験する場合に、「自分はいったいどの程度のスコアが見込まれるのだろうか?」と考える方も多いでしょう。
そこで、Versant™ を受験する方の多くがビジネスマン・ビジネスウーマンであることを考慮して、TOEIC™L&Rのスコアと比較を整理しました。
個人受験の運営もおこなっている株式会社ディスコのVersant™のページ下方に、「Versant?スコアから見込まれる他テストのスコア」として、Versant™総合点とTOEIC™L&Rの比較表が出ており、それが参考になります。
この比較表をベースに、各レンジの高い得点をピックアップして比較した表を作成ました。
Versant™ 総合点 | TOEIC™ L&R |
---|---|
44 | 704 |
49 | 776 |
54 | 848 |
59 | 920 |
64 | 990 |
(株式会社ディスコのVersant™のページにある「Versant?スコアから見込まれる他テストのスコア」により作成)
これによれば、Versant™50点でTOEIC™L&Rで約800点前後です。しかし、日本で普通に英語を勉強している多くの人にとって、はかなり難しい点数かもしれません。
なぜなら、上記で説明したように、Versant™では「ネイティブモデルとの比較」「話したこと&話し方」において評価されないと、よいスコアを出せないからです。
Versant™とTOEIC™では、異なる英語スキルを測る両テストなので、相関表による換算スコアは参考程度に捉えるのがよいのかもしれません。
そして、Versant™でスコアアップを目指すには、各パートの試験内容を理解して採点される項目に即した勉強&対策が有効でしょう。
Versant™の各パートとの試験内容と攻略のコツについては、以下の記事を参考にしてくださいね。
また、勉強できる期間が限られている場合には、勉強期間に即した効率的な対策をプランしてください。
まとめ
Versant™スコアアップを目指すのに、「スコアがどんな基準で採点されるか」を知っておくことは、非常に大切です。
つまり、話し方(発音や流暢さ)と話す内容(語彙や文章構文)の両方を意識して試験対策をすることが重要です。どちらが欠けても、スコア採点が低くなる可能性がありますから、それぞれにフォーカスした対策が効果的です。
当記事が、Versant™スコアアップを目指す方の参考になれば嬉しいです!
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